2009年11月15日日曜日

The Smile Train


ここ何日かTVの調子が悪い。雑音が入ってよく聞き取れない。そういえば、サイクロンの影響で雨が降って以来だ。南米に住む妹が雨の日はインターネットの調子が悪いと言っているのを聞いて、なんで?と思ったものだが、今は理解できる。しかし、こちらは雨があがっても調子がよくない。もー文句言おう、と思いつつ、今朝は雑音が入らないインドの国営放送をつけてみた。そうすると口蓋裂のこども達の番組があっている。そういえば2008年のアカデミー賞で賞をとったSmile Pinkiというインドが舞台のドキュメンタリーがあったっけ。この映画は見たことがないけれど、このTV番組にもこのPinkiのことが出ていたのでほぼ同じ内容なんだろう。インドでは貧しい地域で口蓋裂を持って生まれてくる子供が多いらしい。この口蓋裂の原因はまだわかっていない。妊娠12週(だったと思う。)あたりに何か起こっているらしいが、定かではなく、遺伝もあるのだとか。貧しいから手術をうけられず、学校にも行けない。ひどい子供は口蓋に大きな裂け目が入っており、うまく話すこともできない。他の子供からもからかわれる。病院の受付といっても青空診療で赤ちゃんを抱いているお母さんがBihar州出身だと言っていた。Bihar州はインド国内で、もっとも識字率が低い州だ。この口蓋裂に関する知識も低いのだろう、口蓋裂の赤ちゃんが生まれると夫から出ていけと言われたとか、夫側の両親や親類は赤ん坊を見にもこないんだそうだ。そして口蓋裂は母親のせいにされる。印象的だったのが手術を待つ子供に1人1人、医者なのか、カウンセラーなのか、担当者が声をかける。唇が治ったらどうするの?男の子は1日中クリケットをして遊びたいと言っていた。口蓋裂のせいで他のこどもたちの仲間に入れないんだそうだ。でもその担当者は1日中遊ぶんじゃなくて学校に行くんだよ。としきりに子供に言っている。どの子どもも学校に行くように言われていた。もちろん、両親も子供たちが学校に行けるように登録するよう、そして口蓋裂はお母さんのせいじゃないことを教育されている。重度の口蓋裂の男の子は自分の顔を鏡で見れないと言っていた。治ったら鏡を見れるよ、と励まされ泣いている男の子に担当者はどうして泣くの?これから手術をうけると鏡を見れるようになるし、学校にも行けるじゃないか。ホロッときた。
  先週の新聞で、ムンバイの平均月収はインドの平均月収の約2倍ぐらいになる。と書いてあった。しかし貧しい地域では1か月の平均収入が3,000ルピー(6,000円ぐらい)に届かないそうだ。そしてムンバイの人口の2人に1人がスラムに住んでいる勘定だそうで驚いた。スラムドッグミリオネアの子供たちも大袈裟な話ではなさそうだ。カースト制度がなくなってもいまだに人々の生活には色濃く残っている身分制度。アンデリのオフィスでお掃除の担当として毎日来ている男の子はとても人懐っこい性格でよく働く。しかもよく気がくのである。英語を習いたいと向学心も高く実はこっそりエルビラに毎日英語を習っている。いつも、この子はオフィスボーイになれないのだろうか、と思う。まー今アンデリオフィスには5人もオフィスボーイがいるので人数的な問題かもしれないが、頑張ってほしいなーと思う。英語が話せるようになったら、お掃除じゃなくてもっといい仕事があるに違いない。スタートが違っても頑張れば報われる社会になればインドはもっとかわると思う。いい方向に変わっていってほしい。

今朝、新聞を買いに出かけたら警察の車が空き地の横に停まっている。いつもいないのに、テロ警戒か?でも駅も近くにないしな??と不思議だった。そして午後3時。またボーッと窓から外を眺めているといつになく警察が出ている。何人かの警官が固まって立っているなーと思っていたら、消防車も来た。そしたらその警官のかたまりへ何人かの消防士も加わった。変だな?と思っていると1人の警官がうすい黄色のビニールシートのようなものを持って私の部屋から見える緑の茂みに入っていった。そう。死体である。私が住んでいるアパートの隣の敷地なので1階だったら見えないけれど、4階なのでバッチリ見える。ビニールシートがかけてあるので本当に死体かどうかわからない。でも警官が野次馬たちを追い払っているし、すごい匂いなんだろう、鼻と口をタオルで隠している、そしてついにビニールシートがとられたが遠くてあまり良く見えない。どうやら女性のようだ。布のように見えるのはサリーなんだろう。殺人か自然死かわからない。前も自然死と思われる女性の死体を道端で見た。眠っていると思っていたその女性は不自然な格好でハエがたかっていたので死体だとわかった。ダニエルが身よりがなかったり、埋葬代がはらえなかったりで道端の死体のひきとりがないからちょっとした社会問題なんだよ。と言っていたっけ。ご冥福をお祈りします。

写真は上からAnuja、11月の最後の日曜日が結婚式で結婚式の招待状とチョコレートをわざわざ持ってきてくれた。楽しみ。久々の再会で楽しかったし、ジェラートもおいしかった!2枚目はインドで初、プリンを作ってみた。卵と牛乳のプリンとはまったく違う味だけど、ちょっと懐かしい。今度は本物のプリンにチャレンジしたい。

5 件のコメント:

tkro さんのコメント...

プリンおいしそう…

youko さんのコメント...

人でなしの仕打ちに、胸が痛みました。。
口蓋裂の赤ちゃんだと、母親のせいだと責められ出て行けと言われたり、親族に黙殺されたり、その子がからかわれて学校にも行けなくなる などとは、ひどすぎる!
貧困層で発症すると、病院で手術を受ける経財的余裕は無い上、医学的啓蒙の機会も少なかろうから、展望が暗い。つらい話ですね。まあ、国営放送で、誠実な啓蒙キャンペーンを、途切れずやって、あやまった偏見だけでも取りのぞいていって欲しい。
国営放送自体を見られない層には、啓蒙が普及しないか?
それを思うと、無力感でしゅんとなりますが。子供を励ますカウンセラーや、スタッフの方々が、一緒に喜べるような、明るい日が、早く来る事を!! 

匿名 さんのコメント...

口蓋裂は日本では出産前からわかるので生まれてすぐに手術の方法とか考えている。

インドの医療やすべてにおいて富裕層と貧困の差が激しすぎる。教育もカーストの貧民と富裕層には大きな違いがあると思う。
子供には罪が何いのでこれからの子供に大いに教育出来るようになって欲しいね。
インドは頭が良いといわれてるし。。。

インドは核を保有してる国なのに自国の国民の貧困改革に取り組まないかなと思うよ。

私が一人で怒っても仕様が無いけどね。
インドの核は許されないよね。国防には対処し色々な問題があるだろうけど考えを変えるべきと思う。

kuni さんのコメント...

名前入れるの忘れた。前のコメントは私です。

匿名 さんのコメント...

中原さんです。これからいろいろコメント書くつもりです。